ご参加いただきありがとうございました。
ご先祖様へご挨拶から。
里山を這い上がる。竹林整備の現場。
ぐるりと探検し、戻って来ては火を確認。
ちゃんとまだ、燃えていた。
消えかけそうなその火を繋ぎ、もう一度沸かす。
火の通りを確認すると、大根も肉も、すっかり柔らかくなっていた。
俯瞰してみる、自分の立ち位置。
榧の木の炭でできた線香花火。ひとつひとつ、火を囲む。
裸足冒険家と野を駆ける早朝。
永子さんの母お手製のお漬物。
作りたて豆餅を炭火で焼く。
「ここは時間の流れが違う。都会は時間に追われている。」
そんな参加者の一言に、村人が口を開いた。
「私は七十二候を知ってから、季節の移ろいを意識するようになり、時の流れが変わったんです。」
ビルに囲まれた環境では、その変化に気づくことが難しい。
毎日の景色が変わらない。
季節の移ろいを感じる場所にいられるか。
例えそうでなくても、道端に咲く小さな花に、
気づくことができるだろうか。
生きているということについて。
お蚕様の観音堂。
最近の永子さんは、地元が面白くてしょうがないと言う。
今回の時間は、米山家の敷地内だけの行動範囲。
しかし、里山信仰、代々伝わる暮らしを紐解けば、
こんなにもたくさんの話が詰まっていた。
けれど、
何も見えていない人にとっては、
何もないとも映るだろう。
永子さんは、目の前にあるものを、
ちゃんと受け取れている人だった。
こぼれ落ちないように、未来につながるように。
見せてくれる人だった。
photo Takashi Gomi
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