top of page
検索
執筆者の写真naomikami

感覚

焚き火料理に温度計はない。

全ては五感で感じ取る。


決して思い通りにはいかなくて、

温度、湿度といった外気にも左右される。


からりとした冬は、よく燃える。

 

燃える温度を肌で感じ、

弾ける音に耳を澄まし、

沸き立つ香りを嗅ぎ、

 

瞬間を逃すとたちまち焦げる。

 

感覚が開かれるから、

好きなのだ。

 

 

昔、修行時代にレストランで、

それは確か、研修初日か二日目のことだった。

 

レストランという場所で、

初めて働いた時のこと。

 

この料理は何度で何分焼くのですか?

とシェフに尋ねたら、


オマエ何言っとんねん、そんなアホなこと聞くな!

と一蹴された。


その時は全く理解できなかったが、

今はとても分かる。


それが感覚というやつだ。

 

感覚は経験。



鹿の脛と蕪を煮込む。

じっくりじっくりと。



Photo Daisuke Takashige

閲覧数:112回0件のコメント

Comments


bottom of page